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巨人ウォルマートを揺るがすAmazonエフェクト

2018年5月14日 10:42 - Miki Michihata

　孫正義さんが発表数時間前に口を滑らせてしまったことがニュースになってました「WalmartによるインドのFlipkart買収」。よほどの売却益で気分がよかったのか、なにか意図的なものがあったのかは、さておき。インド市場とオンラインショッピングへのWalmartの凄まじい注力の仕方がうかがい知れます。

インド最大のＥＣ、フリップカートを取得したウォルマートですが、英国では、傘下のASDA（アズダ）をSainsbury（セインズベリー）に100億ドルで売却するなど派手な動きに出ています。なんとなく焦りもあるのかなと。 ASDA，Sainsburyは、業界2位、3位を争っている二大スーパーマーケットですが、昨年、一昨年と英国市場をみていると、明らかにASDAは調子悪そうな感じでした。ディスカウンター業態であるASDAが、同業態であるドイツのディスカウンター2社、ALDIとLidlの勢いに押されてるのが目に見えて明らかでした。

　ウォルマートは、アメリカ流通業、ダントツ一位、大きいだけに、Amazonには、絶対譲れないのでしょう。が、Amazon効果は、主要小売業にドラスティックに響いています。続く２位は、会員制ホールセラーのCostco（コストコ）、日本でも大きな倉庫型店舗でアメリカ気分を味わいながら買い物できる体験も面白い業態ですが、昨年から、InstaCartを使って、オンラインショッピングを始めています。即日配送と2日後の配送のオプションがあり、生鮮品は除外されているようです。価格もオンラインの方が高めだったりするようですが、会員でなくても購入できる仕組み（非会員は5%価格上乗せ）も功を奏してか、四半期ごとに約30％売上が伸びています。

　次なるは、Kroger、全米35州に約2,800店舗を展開する、食品中心のスーパーマーケットチェーンですが、ClickListというシステムで、オンラインストアを2016年からスタートしています。つづく、４位のTargetは、Amazonの買収対象となるニュースが常に流れており、この規模以下になると、飲み込まれていくか、よほどの独特のビジネスを展開していかないと厳しい状況になることは明らかです。2030年には、Amazonが小売業で一位になるという予測もありますが、もっと速いスピードで実現するのではないでしょうか。

　独自性やオフラインでの店舗体験の質を高めていくことで、打ち勝つことも施行されています。食品スーパーという業態では、トップチェーンのKrogerは、そこそこシェアをもつドラッグストア部門を切り離し、食品に集中するという英断を下しています。店舗でのエクスペリエンスを高めることに集中するとのことで、ストアスタッフの拡充、そして、レジ待ちの列をつくらない、そんなシステムで顧客満足度を高めていこうという方針が打ち出されています。

　食品のオンラインショッピング、日本では、若い世代が中心に市場が活性化していくように思いますが、最近は、セブンイレブンがグーグル　アシスタンスをつかって、宅配ビジネスを進めています。私は、まだ旧式で見てから献立決めるタイプです。買い物しない、料理しない、次は、食べない（噛まない、飲むだけとか）になっていきそうですね。